fc2ブログ

京都歴史回廊協議会

イベント紹介

第12回歴史回廊らくたび散歩「謎の古代豪族・秦氏と映画の街『太秦』散策」を開催しました

 2022年3月6日(日)、第12回歴史回廊らくたび散歩「謎の古代豪族・
秦氏と映画の街『太秦』散策」を実施しました(参加者36名)。
13時に右京区総合庁舎前に集合した一行は、当会幹事で株式会社
らくたび代表の山村純也氏の案内により、はじめに通称蚕ノ社(正式
名称:木嶋坐天照御魂神社)を訪問しました。同神社は古代豪族・秦氏
により創建されたと伝えられており、本殿東側に秦氏が得意とした養蚕
の神様を祀っていることから「蚕ノ社」という通称があります。境内西側
の元糺の池には京都三珍鳥居の一つ三柱鳥居がありました。同鳥居の
三つの角は北東西を指しており、東西を指す角の直角二等分線の先に
比叡山と愛宕山があり、同鳥居から見て夏至の日は比叡山頂から日が
昇り、愛宕山頂に日が沈むことから、暦を正確に知るためにあるのでは
ないかとも言われています。さらに社殿の瓦や提灯には賀茂氏の紋で
ある葵の葉が施されており、山村氏は賀茂氏との関係性についても示唆
されました。
 木の鳥居  山村さん
 三柱鳥居  葵

次に、向かったのは大酒神社。同神社は秦の始皇帝を祖神とし、もと
は広隆寺の境内に祀られていたが、明治初期の神仏分離令により現在
地に祀られることになったことや、毎年10月12日に広隆寺で実施されて
いた同神社の「牛祭」は「やすらい祭」、「鞍馬の火祭」とともに京都
三大奇祭の一つに数えられ、京都市の登録無形民俗文化財になっている
ことなどをご紹介いただいた。
 大酒神社額  大酒神社
 太子殿    広隆寺庭

大酒神社を後にして、一行は広隆寺を訪問した。上宮王院太子殿(本
堂)の前で創建以来の由緒について説明を受けた後、霊宝殿にて我が
国の国宝第一号となった弥勒菩薩半跏思惟像をはじめ、同寺が所蔵する
数多くの仏像等の宝物を鑑賞しました。
三条通りを南にわたると映画の街「太秦」に至りました。中心街である
大映通り商店街を西に向かい、キネマキッチン等映画関係者に縁のある
お店をご紹介いただきながら、商店街の中ほどにきましたら、三吉稲荷
神社に到着しました。同神社は太秦に映画の撮影所が建設され始めた時
に近くの竹やぶにあった二つの祠を一つにまとめて祀ったのが始まりで、
別名「芸能神社」と呼ばれています。日本映画の父といわれている牧野
省三監督の顕彰碑や戦前の人気俳優が寄贈した石柱がありました。
同神社から少し南へ下ると、現在はマンションが建っていましたが、
かつては大映の撮影所があり、ベネチア国際映画祭でグランプリを受賞
した黒澤明監督の羅生門をはじめ数々の名作が撮影されたとご紹介いた
だきました。
 キネマキッチン  三吉稲荷

大映撮影所跡地から西に向かうと、松竹京都撮影所東側の壁に突き
当たります。そこを左折して南下すると住宅地の真ん中に蛇塚古墳の
巨石群が現れました。同古墳は7世紀初めに築造された秦氏の首長の
墳墓と言われています。奈良県明日香村の石舞台古墳級の大きな古墳
で石室内に当日の参加者が全員は入れるほどのサイズでした。
 蛇塚  蛇塚内部

最後に訪れたのは松竹京都撮影所。同撮影所には立命館大学映像学部
の実習施設「立命館松竹スタジオ」があります。一行は専用の撮影ス
タジオ、映像編集設備、講義用教室も設置されている建物の外観を確
認しながら歩き、嵐電帷子ノ辻駅にて解散となりました。解散後は同駅
2階に松竹京都撮影所と京福電気鉄道との連携で開設された駄菓子売場
「映菓座」で、昔懐かしいヒーローものの歌曲が流れる中、駄菓子を買
ったり、名物三吉稲荷ソフトを食べたりしながら歓談しました。
 松竹  帷子ノ辻     
 映菓座内  映菓座外




2022/03/10 14:28

ページの上部へ戻る